代表取締役 嘉数雄一 × 取締役 松田幸司

代表取締役 嘉数雄一 × 取締役 松田幸司

「この人はいい意味で『おかしい』と思った」(松田)
「松田の存在が『いい会社を創ろう』という気持ちに火をつけた」(嘉数)
そんなお互いへの思いを持つ2人がインターファームについて語りました

バイク一括買取査定サイト『バイク比較.com』、格安スマホ比較サイト『すまっぴー』、ウェディングキュレーションメディア『marry』など、情報化が遅れているニッチな分野を狙い、インターネットメディア事業を展開するインターファーム。でも、これはインターファームのほんの一面でしかありません。もう一面は、事業展開と同等かそれ以上の力を注いで、人材の育成と成長に取り組む会 社。インターファームという会社自体が、人材の成長の場となる「成長するプラットフォーム」を目指しています。ニッチ分野の情報化×成長するプラットフォームで社員一人一人の力を引き出し、大きく羽ばたこうとしている会社です。

代表取締役

嘉数雄一

大学卒業後、営業職を経て株式会社ウェブクルーへ。黎明期のインターネットメディアビジネスを経験。インターネットの力で情報や流通を変えられると確信し、2006年にインターファームを設立。

取締役

松田幸司

株式会社エイチーム、Google Japanを経て2016年にインターファームへ。嘉数社長の人間性に心酔して参画を決めた。

ニッチメディアの成功ノウハウを横展開。インターネットの力で新しい流通を提案

――御社のキーワードは、ニッチ分野の情報化と成長するプラットフォームですね。目指すのはどのような姿なのでしょうか。

松田:人材戦略と事業戦略がシンクロしているのですが、自分が目指しているのは「みんながプロフェッショナル」。自分にとってプロフェッショナルの定義は、年商1億円のビジネスを一人で回せる事業部長になれること。これを基準に事業を生み出し、そのなかで人材が成長する仕組みを考えています。1億というのも、大手企業の基準からすると小さいでしょう。私の前々職(※東証一部上場IT企業)だと最低10億円を目指しましたし、前職(※世界的なIT企業)だと、グローバルでスケールする事業でなければやらないという発想でした。でも当社は、それらとは対極で、ニッチだけども当社、そして当社の人が活躍できる分野を狙っています。
なぜニッチな分野かというと、競合が少ないことに加えて、ニッチな分野ほどインターネットのビジネスが遅れているから。ITビジネスの台頭は、リアルなものをどんどんオンラインに置き換えるという方向で発展してきましたが、それは大きな分野の話で、ニッチな分野は手つかずで残っています。日本だけでなく、IT先進国であるアメリカでも同様です。そのニッチな分野と1億円という規模がピタリと重なるので、そこが当社にとって会社を成長させ、人も成長させるエンジンになると考えています。
嘉数:そういうことらしいです(笑)。僕もそういうことをやりたいと思って、これまで取り組んできたのですが、松田さんがうまく言語化してくれました。その考えで、既に成果を出している事業がバイク一括買取査定サイト『バイク比較.com』とウェディング情報のキュレーションメディア『marry』です。

――元々は嘉数さんがビジネスを立ち上げ、会社を作り、その後、松田さんがジョインしたのですよね。

嘉数:そうです。比較サイトは、インターネットの力で新しい流通を提案するという視点を持って、もう10年やっています。『バイク比較.com』で言えば、既存の流通だと、ユーザーからバイク買取業者へ、買取業者からオークションへ、オークションから販売店、そしてユーザーへという複雑な経路をたどって、やっと最終的なユーザーに届きます。それが『バイク比較.com』では、ネットを介して一括査定ができ、売る側も買う側も一気に選択肢が増える。インターネットは最短の新しい流通を作れて、それができれば必ずどこかでマネタイズできるはずなので、その仕組みを作ることがすごくおもしろいと思っています。
松田:そうですね。このサイトによって、ユーザーさんはより高く売れるようになり、バイク買取業者さんは、今まで知らなかったお客様にアプローチできるようになる。双方にメリットがあります。今後は、さらに付加価値を高めるような仕組みも考えていきたいです。そうやって一つの業界を突き詰めていくと、ニッチだけども色んなノウハウがたまっていきます。ビジネスフローの構築、クライアントの開拓・付き合い方、プロモーションのやりかた…。バイク事業で培ったそのノウハウを今、新たに格安スマホ(格安スマホ比較サイト『すまっぴー』)で展開しているところです。情報が行きわたらず、機会損失を起こしているニッチな分野は、まだまだたくさんあります。そのような分野を狙って事業を展開していけば、情報がなくて困っている人たちを助けながら、会社もメンバーも成長していけると思っています。

事業が危なくなりそうでも人を選ぶ?!人の成長可能性に投資して成功

――一方で事業は、社員の成長をうながす装置でもある。目的であり手段でもあるという位置づけですね。

松田:はい。ただ、そこで嘉数さんがいい意味で「おかしい」と思うのは、事業の成長と社員の成長を本気で同じように重要視していること。本当に、事業が危なくなるのではないかという場面でも、人のほうを選ぶのです。苦しんでいる人がいれば、事業で求めるものを減らすし、人にお金も投資する。ジョインする前は、客観的に見て「そのビジネスにそんなに投資する?!」と思うこともありました。
嘉数:へぇ(笑)。松田さんから見てそうでしたか。

――松田さんは元々、外部のコンサルタントとしてインターファームに関わっていましたからね。

松田:そうなのです。その頃、例えば新卒の子にいきなり事業を任せるなど、ビジネス効率を追求するコンサルタントの視点ではなかなかできないことを、嘉数さんはやっている。普通の企業だったら、その人の身の丈に合ってないと感じるほどの投資をして、でもそうやって人が成長し、その期待に応えて頑張っているので、なるほどと感心したのですが。
嘉数:そうかもしれないですね。今のその人の姿よりも、成長の可能性に投資しているので、身の丈に合わないように見えるのでしょう。
松田:そうですね。だから重要な戦略としては、入社の段階で人を選んでいますよね。成長への意識が強く、前向きな子たちを。そのベースの良さも大きいのでしょう。
嘉数:『marry』は成功例の一つで、入社4年目の女性にいきなり新規事業を任せたところ、その期待に応えたいと猛烈に頑張って、『marry』を生み出してくれました。とにかくその情熱がすごかった。今では月間800万PVの一大メディアに成長し、彼女もカリスマ編集長になっています(笑)。
松田:まさに素晴らしい実例ですね。前職を含めて多くの社長を見てきましたが、事業の売上や利益を後回しにしてでも、人の成長を重視できる社長は珍しいと思います。嘉数さんは、何でそれができるんでしょうね。沖縄タイムだからですかね(※嘉数氏は沖縄出身)。
実際、コンサルタント時代、嘉数さんに売上利益を伸ばす提案をしても、人の成長の面から好ましくないという理由で実行してもらえないこともありました。最初、それが理解できなくて、難しい社長だと思いましたし、私の前任者も「言っていることがぶれる」と困っていました(笑)
嘉数:僕のなかでは『人の気持ちを大切にする』という軸で一貫しているのですが、それはビジネス効率の観点からは理解されませんね。
松田:そうですね。自分も、何度かやりとりするなかで、嘉数さんは「人の思いを見ている人なんだな」とわかりました。そう知ると、自分はやはり効率性や売上、利益の観点だけでビジネスを判断してしまうので、嘉数さんといることでそれが矯正されると嬉しく感じるようになりました。人間的に成長できていると思えたのです。
嘉数:僕にとっては、一人一人が挑戦しているかどうか、それが一番大切なんですよね。
松田:一言で言うと社員の自立を見守るパパですね(笑)

――でも結局、嘉数さんのメソッドでうまくいっている…。
松田:いっていますね。本当に不思議です(笑)。『marry』も『バイク比較.com』も、その他の事業も立ち上がってうまくいっています。格安スマホ比較サイト『すまっぴー』は、累積ではまだ赤字ですが、単年では黒字化しているし、何より成功したと思うのは、次の事業部長が育っていること。これを手がけたのは新卒3年目のメンバーで、スタートした当初、彼は一通りのスキルはあったのですが、事業部長のスキルはまだなくて、この事業を通してできるようになった。彼はこの事業で成功事例を作ったので、次はもっと大きなことができると思います。

「投資×可能性×情熱」従来の成功法則を、再現性のある仕組みとして確立へ

――これまでは、人の成長可能性に投資して、情熱で成功に導く嘉数さん方式でやってきました。ただ、現在はこれを再現性のある仕組みとして確立しているところでもあると。

嘉数:そうなんです。そこには松田さんの教育論があって、実際、松田さんに関わったメンバーが今、どんどん成長している姿を目の当たりにしています。
松田:それでいうと自分と嘉数さんの役割分担があって、自分がガミガミ言い、嘉数さんがフォローするというような役回りですね。

――とはいえ、その「ガミガミ」にも裏付けがあるのですよね。

松田:そうですね。当社は成長のレベルを、大きくは3つに分けていて、第一段階が与えられた仕事を自分でできる、第二段階が先輩・リーダーとして導ける、第三段階が職種をまたいで事業の全般を理解した上で事業部長としてやっていける。このレベルごとに、7つのプロフェッショナルスキルと呼んでいる必要なスキルを設定しています。これをベースに目標管理もしているので、これに沿った形でガミガミ言っていますね。
例えば、プロフェッショナルスキルの一つに「ストーリー力」というものがあるのですが、これは自分が経験したことから最大限学ぶためのスキル。それを鍛えるために週一で実施しているのがストーリー向上委員会です。自分が経験したことで、失敗でも成功でも何か分析したいことをテーマに選び、それがなぜうまくいかなかったか、あるいは、なぜうまくいったかと仮説を立てて、得られた仮説 を他の事例にもあてはめて正しいかどうか検証する。それがうまくいけば、それを他でどうスケールさせるかを考える…という手順で、ひたすらこれを書くのです。
嘉数:すごいですね。みんなよく書きますね。それを毎週。
松田:書いたものは一人ずつ発表して、しっかりとロジカルにストーリーで考えられているか、中身や仮説についてなどをみんなでディスカッションします。すると、やはり変わるんですね。論理よりも行動や情熱が先行するタイプの子が、やっていくうちに論理的に先輩の話に突っ込めるようにもなる。
嘉数:こういう環境はなかなかないですよ。論理的に話せるようになると、伝える力が格段に上がりますよね。
松田:そうですね。情熱ももちろん大事なのですが、情熱で動くと得られるものが少なくてもったいない。この向上委員会の手法を使えば、仮に失敗したときも「なぜ失敗したか」、「こういう理由でこう改善すればいい」と考えることができ、次が楽しくなる。失敗は学びの場であり、失敗すればするほど得られるものも大きくなるから、実質「失敗」がなくなるのです。
嘉数:なるほど。松田さんは本当にすごいですね。教育論は本を一冊書けるくらい。僕は漠然と、インターファームという会社が、事業を通じて社員が成長する場でありたいと思っていたのですが、それを言語化して、「成長するプラットフォーム」というキーワードも生み出してくれました。
松田:この7つのプロフェッショナルスキルは、成長するプラットフォームの核にもなるものです。
嘉数:松田さんは僕の思いに共感してくれて、一緒に「成長するプラットフォーム」を作っていく人。僕にとっては、かけがえのない同志を見つけたという気持ちですね。松田さんが参画する前は、メンバーが好き勝手にやっているという雰囲気で、辛さを感じることもあったのですが、松田さんに会って、また「いい会社を創っていきたい」という強い思いを持てるようになりました。

全員が1億円の事業を回せるプロフェッショナルに。「好き」や「夢」をビジネスへ

嘉数:以前は、とりあえず一人一人が何かサービスを作り、大きくする経験を積むことだけに注力していました。挑戦心のある人は、期待ときっかけを与えれば、後は勝手に成長していくのですが、そうではない人は苦労していたと思います。
松田:これからは、そのような多様なメンバーがいることを前提に、全員が1億円規模の事業部長になれる仕組みを作っていきたいですね。自分は、ビジネス効率を考えると、つい「適性のある人だけでいいかな」と思ってしまうのですが、そこは嘉数さんが「イヤイヤ」と止めてくれるので、人間としての正しさを取り戻しています(笑)。
嘉数:すべてのメンバーに対して、教育で、その人の持っている力を引き上げる。みんな、いずれ松田さんに教えてもらったことに感謝すると思いますよ。

――成長するプラットフォームも、松田さんと嘉数さんのメソッドもどんどん進化していきますね。

松田:今度は、新卒研修のゴールを新規事業にしようかと思っているんです。
嘉数:それはいいですね。
松田:やる側も、サポートする側もメチャメチャ大変ですけどね。でもある程度、これまで培ってきたノウハウを伝えて、フォローする仕組みを作ればできるのではないかと思います。いずれ研修をするのも、私ではなく次の事業部長に託したい。教える側がいちばん学ぶので、その仕組みもうまく作りたいです。やはり、教えるときに一番自分を振り返り、ストーリーを作り上げますから。 その過程で、これまで学んだことにプラス20%も30%ものことが学べます。新人は、その20%~30%増しになった最強のノウハウを学び、新規事業で実際に使って試し、そこから何かを得て、また自分なりのノウハウを付加したものを次に伝えていく。この連鎖ができるでしょう。
嘉数:それは本当に楽しみです。僕がずっとやりたくて、でも自分の力ではできなかったことを、松田さんが実現しようとしてくれているので。
松田:シミュレーションではなくて本当に新規事業をやってしまいます。結局2カ月、3カ月と缶詰になって学んでも大抵が無駄になるので、無駄にしないためにはしっかりしたゴールが必要です。そこからスケールするものが出てくるといいですね。

――御社のビジョンは「感動をつなげ、人を幸せに」。インターネットで感動を起こす世界が見えてきますね。

嘉数:いや、まだ全然見えないですよね(笑)
松田:まだ足りない。
嘉数:でも、『バイク比較.com』でユーザーさんとバイク買取業者さんの利便性を向上させたように、一つ一つの小さな便利や感動の積み重ねで、きっと大きな感動になる。これから、新規事業の数だけ感動が増えていくといいと思います。
松田:そうですね。既に大きく育った『marry』は、ユーザーさんの感動がとても大きいメディアです。ユーザー、クライアント、一緒に働いているメンバーの3つの感動がそろったときに、嘉数さんもインターネットで感動をつなげる世界を実感できると思います。
嘉数:そうなりたいですね。まだ先の話ですが。まずは自分たちで手がけて、成果を出して、ニッチな分野かもしれないけど、全員が「ニッチメディアのパイオニアなんだ」と胸を張って言えるようにしたい。そう言える人が育ってくると、会社としても次のフェーズに行けるでしょうし、インターファーム=「成長するプラットフォーム」という図式もできてくるでしょう。
松田:みんなが、自分の好きなことをビジネスにできるようにしたいですよね。インターファームにいることで、その力がつく。そうなりたいです。
嘉数:夢をかなえる場所。東京ディズニーランドは「夢がかなう場所」ですが(笑)。ダイビングのサービスを作りたいとか、サッカーが好きでサッカーに関わるビジネスをしたいとか、それぞれの「好き」と「夢」がありますから。
松田:自分たちは全力で、そういう子たちを支援したいですよね。